すりきず

本屋で立ち読みしていた。
ちょっと分厚い本を棚に戻そうとしたら、
手がすべって落ちてきた。

左手がとっさに出た。
左手のひらに本のかどが当たって、床に落ちた。

いたい。
左手のひらの一部の皮が擦れて、血がにじんできた。

それを見て、なぜかこう思った。
ああ、私の血は赤いんだなと。